『コーカサスの白墨の輪』
作:ベルトルト・ブレヒト 演出:レオニード・アニシモフ
ストーリー
「生きることを恐れない」
中央アジアに位置するグルジアを舞台とした太古の物語。
国の権力を握る領主が反乱によって殺され、産まれたばかりの領主の子供(ミハイル)が宮廷に置き去りにされてしまった。
宮殿の召使いグルシェは赤ん坊を見殺しに出来ず抱いて逃げる。
子供の命を狙う兵士に追われつつも、氷河を越えて辺境の村へ逃げ、苦難の末に自分の子として育てていく決意をする。
やがて内乱が終わり、領主夫人が子どもを連れ戻しにやって来た。
産みの親と育ての親、どちらが真実の母親か?!
かくして裁判は、混乱の最中ひょんなことから裁判官にさせられた、村役場の小役人アツダクの手にゆだねられた。
出演者
※出演者は、芸術監督の判断により
変更になる場合もあります。
アルカディ・チャイゼ(詩人)
岡崎 弘司 / 稲田 栄二
歌
渡辺 歌子
詩人の仲間たち
金子 幸代 / 平野 由紀子
ゲオルギ・アバシュウィリ(領主)
上世 博及
ナテラ(その夫人)
桐平 奈泱 / 南 千寿
ミハイル(その息子)
三浦 一夏
ゴーギー(シャルヴァ)(副官)
藤巻 裕人 / 後藤 博文
アルゼン・カツベキ(でぶの貴族)
小倉 崇昭
ニコ・ミカッツェ(侍医)
中林 豊
ミクハ・ロラッツェ(侍医)
八巻 圭一朗
シモン・ハハヴァ(兵士)
天満谷 龍生
グルシェ・ヴァハナッツェ(台所女中)
中澤 佳子 / 名児耶 玲子
乳母
三浦 一夏
侍女
岡崎 朋代 / 貝川 美恵子
料理女
金子 幸代
ミルク売りの老人
瀧山 真太郎 / 武藤 信弥
二人の貴婦人
麻田 枝里 / 後藤 小百合
隊商宿の亭主
山田 高康
隊商宿の番頭
藤巻 裕人
ショッタ(上等兵)
渡部 朋彦 / みつか よしあき
「木魚頭」(初年兵)
藤井 宏次
百姓女
中村 恵子
百姓(その夫)
稲田 栄二
ラヴレンティ (グルシェの兄)
南林 孝幸
アニコ(その妻)
朱花 伽寧 / 池之上 眞理
グルシェの姑
川北 裕子 / 山下 智寿子 / 渡辺 歌子
ユスプ(その息子)
瀧山 真太郎
葬式の客
藤巻 裕人 / 岡崎 朋代 / 朱花 伽寧 / 池之上 眞理 / 川北 裕子 / 山下 智寿子
ミハイルを連行する甲騎兵
山田 高康
アツダク(村役場の書記、のちに裁判官)
菅沢 晃
シャウワ(警官、のちに検事)
安部 健 / 武藤 信弥
ピツェルガン・カツベキ(でぶの貴族の甥)
上世 博及
避難民の老人、じつは大公
岡崎 弘司
百姓の老婆
八木 昭子
イラキ(その娘婿)
岡崎 弘司
三人の大百姓
山田 高康 / 藤巻 裕人 / 八巻 圭一朗
イロ・シュボラッツェ(弁護士)
中林 豊
サンドロ・オボラッツェ(弁護士)
南林 孝幸
ひじょうに年とった夫婦
八木 昭子 /
岡崎 弘司
伝令の騎兵将校
稲田 栄二
3人目の甲騎兵
みつか よしあき / 瀧山 真太郎
黒子
三浦 一夏 / 岡崎 朋代 / 貝川 美恵子 / 八巻 圭一朗 / 中林 豊
スタッフ
演出:L.アニシモフ
上演台本:東京ノーヴイ・レパートリーシアター
音楽監修:後藤浩明
衣装アドバイス:時広真吾
舞台美術:小倉崇昭、大坂陽子
照明:稲田英二
音響:金子幸代
発音指導:永井一郎、橘貴美子
ダンス指導:中村恵子、和田祐貴
ベルトルト・ブレヒト
ベルトルト・ブレヒト
Bertolt Brecht
( 1898年2月10日 - 1956年8月14日)
ドイツの劇作家、詩人、演出家。
アウクスブルク出身。ミュンヘン大学時代より文学活動を始め、1922年に上演された『夜うつ太鼓』で一躍脚光を浴びる。代表作に『三文オペラ』『肝っ玉お母とその子供たち』『ガリレイの生涯』など。第二次大戦中はナチスの手を逃れて各国で亡命生活を送り、戦後は東ドイツに戻りベルリナーアンサンブルを設立、その死までの活動拠点とした。
ブレヒトは出来事を客観的・批判的に見ることを観客に促す「叙事的演劇」を提唱した。その方法として見慣れたものに対して奇異の念を抱かせる「異化効果」を始めとするさまざまな演劇理論を生み出し、戦後の演劇界において大きな影響力を生み出し、戦後の演劇界において大きな影響力を持った。この「異化効果」の用語はブレヒトが使い始めて以降一般的な文学理論として扱われるようになった。
登場人物相関図
お客様の声
頂いた、アンケートより一部抜粋させて頂きました。
すっごく感動した~。舞台に立つ役者さん一人一人のパッションが伝わってきてものすごく共感できて私の中の感情が浄化されました。演劇で癒されるなんて新しい体験です。
東京ノーヴイ・レパートリーシアター&両国シアターカイの皆様、素晴らしい時間をありがとう。演劇に普段馴染みのないひとも一度観に行ってみたら良いと思う!「舞台」という一見、非日常の空間に、自身を見出すことができるかも。また観に行こうっと。
(女性)
ただただすばらしかったです。感動で涙なみだ…運命で結びつけられた母と子の絆。第二部のアツダクのセリフが天からのメッセージのようで、引き込まれてしまいました。混迷の日本に今大切な再生のメッセージ。多くの人に見てもらいたいです。(私も何回も見たいです)この舞台にかかわったすべてのキャスト、スタッフの皆様命の時間をこの舞台創作にこめて下さりありがとうございました。
(女性)
シーン、シーンでの陽気な語り口が今の現状を乗り越えていくための活力につながるように感じた。世界にそのように向き合うことが必要なのかもと思えた。
(男性)
今日は選挙日でした。正義ってなんだろうとか、本当に勝つのだろうかとか正しい事がむくわれるのか、いつもびくびくしながら生きています。それでもあきらめたらそこで終わってしまうのだなあと考えました。涙がとまらなかったです。ありがとう
(学生)
大変楽しかったです。最初はセリフがよく聞き取れず理解できるか心配でしたが、話が進むうちに、中央アジアの世界が眼前に広がる様に感じました。日本各地の方言も大変よく勉強されたのでしょうか民族や所属の違いが方言の違いで分かり良かったです。そして衣装も良かったです。最後のダンスも楽しく、皆様がキラキラしている姿が素敵でした。
(30代女性)
遊び心満載でノーヴイの新しい星、ひとつの発見。京劇、シャンソンもすばらしい。大道芸的な大衆性と詩心が彩るドラマの中には、輝くような母性愛が溢れ、社会・世間・戦争・政治あらゆるものが混沌の中に描き出されていて心に迫る。個々の笑いが壮大なストーリーをしっかり支えていて見事なる大作となっていて素晴らしい。
(匿名)
演劇というのは今回、初めて観ましたがとても面白かったです。方言?を交えたセリフとかも素敵です。原作の本?とかも改めて読んでみようと思いました。
(30代男性)
ただただ感動した。どう表現したらいいのか分からない!観にきて良かった!
(50代男性)
「教育的部分」を退屈させず、”にぎわい”で軽く、楽しくが佳かったデスネ。
(70代男性)
アツダクさんがユーモアがあり楽しかった。自分も演じてみたくなりました。一人一人個性があり楽しめました。所々、手拍子をしたかったが、まわりがしてなかったので、できなかったです。
(40代女性)
アツダクの名裁判、楽しめました。庶民の味方、かっこいいと思います。
(20代男性)
音響や語り部が和風で非常に独創的に思えた。白痴の方も是非観にいきたい。
(20代男性)
今日も心の栄養をいただきました。それからパワーも!
(40代女性)
前回と脚本が進化しているように思えた。メッセージの強さを感じた。また連続した公演をみてみたい。
(40代男性)
人間はバカかもしれないけれど、ひとからひとに伝えることで救われたり、絶滅をしないでいるのかも知れないと思いました。絶望のなかに希望があるのは、今の日本も同じだと思います。たくさんの人が舞台を観て欲しいと思います。役者さん達の熱い心は、ひとの何かを変えられると思います。
(匿名)