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『Idiot~ドストエフスキー白痴より~』
原作:フョードル・ドストエフスキー  演出:レオニード・アニシモフ



ストーリー




「もっとも美しい人を描きたかった。 ドストエフスキー」

てんかんの発作の治療でスイスにいたムイシュキン公爵が、数年ぶりにロシアに戻ってきた。

その道中、ラゴージンと知り合い、彼が熱を上げているナスターシャの名前を聞く。

ペテルブルグに到着したムイシュキン公爵は、遠縁にあたるエパンチン家を訪れるが、そこで偶然目にしたナスターシャの肖像に心を惹かれる。同時に、エパンチン家の3女アグラーヤにも心を寄せていく。
ナスターシャは、トーツキーの愛人であったが結婚をさせたがっている者たちの思惑で、ガーニャとの婚約がすすんでいた。

ナスターシャの運命が決まる名の日。大金を手にラゴージンがあらわれ、ガーニャとの結婚を阻止しようとする。
ムイシュキン公爵は、彼女に対する憐憫の情、無償の愛でナスターシャを愛するが、この愛は彼がアグラーヤに対して持っていたロマンティックな愛さえ打ち負かしてしまう。

利己的な人々の中で、ただ一人自己を投げ捨てることのできるムイシュキン公爵だが、誰もが今度は彼をめぐり争うのである。

そんな人々の中にあってムイシュキン公爵は…。







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出演者

※出演者は、芸術監督の判断により
 変更になる場合もあります。

作者の声 (特別出演)
永井 一郎 

ムイシュキン
菅沢 晃

ナスターシャ
朱花 伽寧 / 大坂 陽子

パルフョン・ラゴージン
安部 健 / 天満谷 龍生

トーツキィ
みつか よしあき

将軍エパンチン
岡崎 弘司

リザヴェータ
池之上 眞理 

アグラーヤ
桐平 奈泱 / 中澤 佳子

アレクサンドラ
麻田 枝里 / 後藤 小百合

アデライーダ
増田 一菜

ガーニャ
上世 博及 / 藤井 宏次


ニーナ
貝川 美恵子 / 川北 裕子 / 中村 恵子

ワーリャ
三浦 一夏 / 滝浪 陽子

コーリャ


レーベジェフ
稲田 栄二

フェルドゥィシチェンコ
山田 高康

プチーツィン
中林 豊 

エヴゲーニー
八巻 圭一朗

カーチャ
岡崎 朋代 

イヴォルギン将軍
小倉 崇昭  

ダーリヤ
南 千寿

スタッフ


演出:L.アニシモフ

脚色:G.トフストノーゴフ

上演台本:東京ノーヴイ・レパートリーシアター

監修:加賀乙彦

舞台美術:S.アクショーノフ

衣装デザイン:時広真吾(リリック)

作曲・音楽監督:後藤浩明


登場人物相関図

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お客様の声  (ご観劇頂いたお客様より感想を頂きました。)


◇前に見た時より、言葉がすっきりしていて解りやすかったです。
チビ達も、公爵の白恥ぶり、本当に悩んで、どうしようもない時に出る「あ~」と出てくるうめき声とかすごかったと言っていました。
「いつも何であんなに手を前に伸ばして座るのかな?」
本当に病気なんだと思って具合悪くなって心配していたり、
「えー」が、いっぱい出てくる時は受けすぎて前の席なのになんども振り向くから周りのお客さんもつられて笑ってました。
ナスターシャの声が最初の時聞き取りづらかったけど、みんな声が大きくて、下北沢より広いのに前に座ってると声がすっと後ろに流れてく感じ?がしてめっちゃすごかったです。
チビ達が観るのでセクシーすぎたらどうしようとおもったけど、大丈夫でした。
ビンタは効果音なしでしたよね。学校でなら体罰だとか言って(これ昔の話だよね?)
ラゴージンがしょんぼりするとこみんな責める気持ちがなくなっていくところも良かった。
チビ達は楽しい事ばかり観たがるけどナレーションで「信仰心が薄れてきてる」という事は嫌というほど実感していて、「真面目にすると浮くんだよね。難しいよ。」って言ってた。
だから公爵の最後は処罰なかったけど素直で真実の人で道を通ってきたけど兄弟をとる事で欲までとってしまって…。



神様の御用むきだったからこそ大難は少難に、少難は無難に通らせてもらったけど人間って難しいですね~。
衣装のドレスにもうっとりでした。
最後にドアはもっと壊される予定だったのかな?
弱視のチビ2は場面が変わる時眩しくてクラッとちょっとしたみたいです。
婦人と三姉妹のやり取り、少女マンガ恋愛ものにちょ~っとだけ似ているから面白かったみたい。
大金を目の前にバタンと倒れるところもすごかった。
公爵がなだめる時のさわりかたもおばあちゃんがなだめる時みたいに優しかった。
誘っていただいて、本当にありがとうございました。

                                     女性 (お子様連れでご来場)

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お客様の声  (ご観劇頂いたお客様より感想を頂きました。)


◇ドストエフスキーの精神に対峙し、その奥なるぎりぎりの精神世界、精神の極限をみたすような、すごく凄まじい舞台と感じました。静寂の中に波打つ動脈と、動の中に共存する静を見事にドラフトさせて、ドストエフスキー文学の精神に忠実に、新たな解釈と表現技巧を加えて、まさにわかりやすく、見る側に考えさせるような脚本が大変心地よく感じました。
途中、途中の切り替えのフラッシュアウトの技巧など、不気味な印象を客席側へ伝わるような平面性から立体的な感覚、見せる技術やセットと役者の立ち居地の微妙な遠近感が客席からみる役者の存在感をより一層引き立てるように感じられ、キャスティングキャラクターの精神的主従が読み取れ、想像を掻き立てる舞台でした。
「ノーヴイ」(ノーヴイとはロシア語で新しいの意味)が充分伝わっていたと思います。
観客に迫るような、まるで舞台が狭く感じるような、熱く臨場感あるお芝居は、東京ノーヴイ・レパートリーシアターの強みですし、すごさで、観る側に心震える感動を与える「魂の演技」かと思うのです。観客を魅了してやまないと思いますし、私を含め、観客が息を呑むように引き込まれてしまうのだと思います。
役者さんの息遣いを感じ、心臓の鼓動が聞えてくるようなお芝居、今回もありがとうございまいした。

斎 篤 様(FAXより一部掲載させて頂きました)




◇人生にとって何が大切なのかを思い出させてくれる良い芝居でした。   (40代男性)

◇チェーホフ時代には秘められ貯えられていた情念が一息に解放されたような激しい舞台、楽しく拝見しました。光の効果も絶大で美しくすばらしい。            (匿名)

◇素晴らしい上演でした!!!                           (70代男性)

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フョードル・ドストエフスキー


1821年11月11日、モスクワの貧民救済病院の医師の次男として生まれる。
小説「貧しき人々」で華々しい作家デビューを飾るが、その後、空想的社会主義サークルの一員となったため、逮捕され死刑判決を受ける。銃殺刑執行直前に皇帝からの特赦が与えられ、シベリアに流刑となった。『白痴』の作中でも、死刑直前の囚人の気持ちが語られている。服役後、賭博にのめりこむ性質、シベリア流刑時代に悪化した持病のてんかん、借金などに苦しめられながらも、活発な創作活動を続けた。妻アンナの回想録によると、ドストエフスキーは借金を申し込んでくるものを一度も断ったことがなく、また返済義務のない相手にも、疑わず手形をきっていたという。不幸な人々に対する尽きない同情が原因のようだ。同時代の名だたる作家たちが地位や財産に恵まれ作品を書いていた中で、文学は職業であり生活に直結していた。書かなければ食べていけない状況にも関わらず、「私は金のために小説のテーマを構想したことは一度もなかった」と彼自身が言っている。創作に対する情熱により、ロシアで最初の職業作家として活躍。ペテルブルグで肺気腫を悪化させ60歳で急逝。

「謙虚さ、これこそがこの世に有り得る最も恐るべき力なのだ」 
                         ドストエフスキー



(PD) フョードル・ドストエフスキー(ヴァシリー・グリゴリエヴィチ・ペロフ画)800px-Dostoevskij_1872.jpg
フョードル・ドストエフスキー
[ ヴァシリー・グリゴリエヴィチ・ペロフ画 ]
(Wikipediaより)